2011年度のテーマ: 霊性としてのキリスト教
「土曜アカデミー」は、思想一般とキリスト教信仰の接触を求め、歴史を省みることをとおして信仰の思想的遺産を現代に生かすとともに、理性的探究によって今日の問題意識において人生の意義に対するキリスト教にできる貢献を探ることを目的にしている。最近の2年間では信仰と理性の関係をテーマとし、古代から現代にいたるまでの各時代・著者とキリスト教との間の対話をたどり解釈して、その意味を浮き彫りにしようとしてきた。
この理論的な側面をふまえたうえで、今年度は信仰の実践の中心を成すキリスト教霊性を、その歴史的な発展と内容的な深みに関して理解することを課題とする。その際霊性(スピリチュアリティ)を広い意味で取り、各時代の社会的・精神的状況を背景にキー・テキストを吟味することをとおして、人間の自己理解と信仰の実践、超越との関わりとキリストの位置づけ、精神生活における知解・愛・活動を多元的に探究し、信仰に潜んでいる人間像の解明を目指す。
本講座は、キリスト教の思想的遺産と現代的意味に関心があり、問題を歴史的かつ体系的に考える意欲を持たれる方のどなたにも、信仰、宗派、宗教を問わず開かれている。受講に思想史・神学・哲学に関する予備知識は前提とされないが、聖書・キリスト教に関する知識が基盤となる。講座は無料であり、定期的な参加が望ましい。
場所:岐部ホール4F 404 カトリック麹町聖イグナチオ教会敷地内。
JR,東京メトロ四ツ谷駅から徒歩2分程度)
時間:下記土曜日午前9時30分から12時15分まで
2011年度 (予定)
夏学期: 古代末期教父時代 (2-7世紀)
04/02 導入。 古代のストア派の信心と新約聖書の霊性
04/09 イグナティオス: 殉教によるキリストへの一致 (-110/117)
04/16 テルトゥリアヌス/キュプリアヌス: (主の)祈り(3世紀初頭)
05/07 オリゲネス: ロゴス・キリスト論と聖書の霊的理解 (3世紀前半)
05/14 プロティノス: 一者への上昇 (205頃-270)
05/21 砂漠の師父/バシレイオス: 修行・孤独・共同性 (4世紀)
05/28 ニュッサのグレゴリオス: 観想と神化 (335頃-394)
06/04 キュリロスとアンブロシウス: (洗礼の)秘跡への手ほどき (4世紀末)
06/18 アウグスティヌス1: 自覚と真理の発見 (354-430)
07/02 アウグスティヌス2 : 精神の三一性と神愛
07/09 ボエティウス:「人格」理解と「哲学の慰め」 (480頃-524頃)
07/23 ベネディクトゥス:「主の奉仕の学校」の修道院 (6世紀前半)
09/03 (偽)ディオニュシオス・アレオパギテス: 超越の認識と「神秘神学」 (500頃)
09/10 証聖者マクシモス: 不動心と愛の自己超越 (580-662)
冬学期: 中世のスコラ学・神秘思想 (11-15世紀)
10/08 カンタベリーのアンセルムス: 「知解を求める信仰」(フランス、1034頃-1109)
10/15 ベルナルドゥスとリカルドゥス: 神の似姿と脱自する愛 (フランス、12世紀半ば)
10/22 女神秘家ヒルデガルトとハーデウェイヒ: 自然美と愛情の賛歌 (ドイツ・オランダ、1300前後)
10/29 フランチェスコとボナヴェントゥラ: 貧しいキリストの兄弟 (イタリア、13世紀)
11/12 トマス・アクィナス: 存在たる神と参与 (イタリア、1225-1274)
11/19 ドイツの女神秘家メヒティルトとゲルトルート(13世紀)
12/03 マイスター・エックハルト (ドイツ、1260頃-1328)
12/10 タウラーと民衆的信心 (ドイツ、14世紀)
01/07 隠遁生活と「無知の雲」 (イギリス、14世紀)
01/14 ルースブルーク: 静寂と行為 (オランダ、1293-1381)
01/21 「新しい敬虔」と「キリストに倣いて」 (オランダ、15世紀)
01/28 クザーヌス:「隠れたる神」と「対立物の一致」 (ドイツ、1401-64)

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