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Colégio Santo Inácio de Loiola
 Colégio São João de Brito

聖イグナチオ・デ・ロヨラ中学高等学校(2013115日開校)
聖ジョアン・デ・ブリトー教育大学(4年制・2015年開校予定)  

東ティモール・二つの新しい学校へのご協力のお願い(2014年版) 


カトリック司祭・イエズス会 
聖イグナチオ学院基金 現地世話人
浦 善  


 カトリック教会の男子修道会であるイエズス会は、東ティモールに二つの新しい学校を設立する計画があります。すでに、貧しい家庭の子どもたちのための聖イグナチオ中学高等学校を20131月に開校いたしました。続いて、よく準備された高等学校の教員養成を目的とした聖ジョアン・デ・ブリトー教育大学を2015年に開校する予定です。

 2002年にインドネシアより独立した東ティモールは、今なおアジア最貧国の一つです。2012年末に、これまで当国の運営を支えていた国連が撤退しました。今後は自分たちで国づくりが進められてゆくことになりますが、とりわけ教育は重要な役割を果たすと思われます。そこで、二つの学校とそこで学ぶ生徒のために「聖イグナチオ学院基金」を設立いたしました。これらの学校は学費を高くすることができず、建築・運営費と奨学金の大半をご寄付や設立母体のカトリック・イエズス会を通してのご支援でまかなっているのが現状です。 

 私はイエズス会司祭として同会を設立母体とする上智福岡中学高等学校(泰星学園)や六甲中学高等学校で働いて参りましたが、2012年より東ティモールに派遣され、これら二つの学校で働いています。したがって、現地で私がこの聖イグナチオ学院基金の運営責任を負います。趣旨をご理解いただきご協力を賜れますように、お願い申し上げます。
 

聖イグナチオ学院 一期生 中学1年生 201310月撮影


東ティモールについて

 カトリック・イエズス会は、中国、アフリカ、ミャンマー、JRS(イエズス会難民サービス)等における奉仕活動とならんで、東ティモールでの活動も優先課題の一つとしています。東ティモールはオーストラリアの北に位置する人口110万人、岩手県とほぼ同じ面積の小国です。同国は16世紀半ばからのポルトガルの植民地時代と、第二次世界大戦中の3年間の日本軍による占領時代を経て、1975年のポルトガル撤退後1976年にインドネシアに併合されました。すでに独立の機運がありましたがインドネシア統治時代には同化政策がとられました。その後国連の仲介によりインドネシア政府とポルトガル政府の合意のもと1999年にインドネシアからの分離独立を諮る住民投票が実施された結果、東ティモールの独立が決まりました。しかし、インドネシア軍撤退の際には、破壊活動や強制的な西ティモールへの住民移住が行われました。そのために1975年以降、多くの難民と20万人近い死者、行方不明者が発生したといわれています。21世紀になって初の独立国となった東ティモール(20025月)は、その後も政情は安定せず住民の生活もなかなか向上しないのが実情です。このような状況の中で、若者と社会のために質の高い学校教育が待望されています。

 
聖イグナチオ学院基金 設立経緯

 20098月に福岡で6日間にわたって開催された東アジア・オセアニア地区のイエズス会学校ワークショップでは、東ティモールの新しい学校設立を各国のイエズス会学校がいかに支援するかということがテーマとなりました。そのワークショップの中で、日本からの会議参加者(イエズス会四校と言われる、栄光学園中学高等学校、六甲中学高等学校、広島学院中学高等学校、上智福岡中学高等学校(泰星学園)の理事長、校長とイエズス会教育推進の担当教員)たちは、日本の4つのイエズス会学校は各校で募金活動をして東ティモールの新しい学校の生徒たちに奨学金を送ろうというアイデアを提案し、実現へ向けて動き始めました。この運動には、「人から人へ」顔の見える交流にしたいとの思いが込められています。同時に、私たちも東ティモールの人びととの交流から多くを学ぶことができるだろう、ということも考えられました。しかしながら、世界最貧国の一つに数えられる東ティモールとは容易に連絡が取れず、また新しい学校設立の進捗状況や現地の社会情勢も不確かで、誰に送金すれば確実に支援が生徒のために使われるかということもはっきりしない状況が続きました。そこで、20112月に一人のイエズス会学校の教員が現地視察のために派遣され現状を視察しました。 


聖イグナチオ学院遠景 中央の3棟はほぼ完成 右手は建築中 左手の土地は教育大学建設予定地

 

        民族衣装を着る生徒                ディリからの生徒は トラックで通学片道1時間 

 

 新しい学校設立に先立ち、東ティモールのイエズス会は20年ほど前からディリ大司教区より聖ヨゼフ学園(高等学校)を委託され運営に携わっていました。近年になって、ディリ大司教区が聖ヨゼフ学園の土地にカトリック大学を設立することになり、それに合わせて当地のイエズス会では独自の新しい学校を設立しようという計画が立案されました。それと並行して、土地購入や教員養成等の準備も開始されました。201112月をもって聖ヨゼフ学園の運営がイエズス会から当地の教会に返還されることが決定されたことに伴い、イエズス会東アジア・太平洋地区協議会は、イエズス会が運営する新しい中学高等学校を2013年に開校することを正式に決定しました。

 聖イグナチオ学院所在地は首都ディリの西18㎞に位置するリキサ県カサイ村で、学校周辺の農漁村地帯や首都ディリから生徒が通学しており、現在中学1年生83名が在学しています。20141月には、新中学1年生が入学してくる予定です。引き続き隣接地には、高等学校教員を養成するための教育大学の設立が準備されています。この教育大学はオーストラリア・カトリック大学と提携し単位も認められる予定で、20138月には東ティモール政府に設立認可申請を行いました。政府から提供された土地も含め、二つの学校のために12ヘクタールあります。中学高等学校と教育大学を含めた設立のための総予算は約12億円です。その他に学校運営経費や生徒のための奨学金を必要としています。私はこの学校で、宗教・道徳科の授業を担当し、二つの図書館設立と奨学金業務に携わっています。

 

ご協力のお願い

 以上の経緯を背景として、聖イグナチオ学院基金を設立いたしました。この趣旨に賛同いただけるすべての皆様に、これらの学校で生徒が学ぶことができるようにご寄付のご協力をお願いいたします。日本国内におきましても東日本大震災の復興支援や自然災害の復旧など私共が志を向けなければならない場所はございますが、あわせて国境や民族の境界線を越えて海外にいる学ぶために支援を必要としている若者たちのためにも関心を向けていただければ幸いです。今日、私たちは物質的に豊かな社会の中で恵まれた環境にあります。今度は、私たちが貧しく様々な困難に直面している国の若者の将来を支援できればと思います。



聖イグナチオ学院基金 プログラム】

A 奨学金プログラム 一口3万円(生徒1人分の年間経費)
  1人分の授業料と教科書・制服代等諸経費 + 学校運営補助

B 「学校校舎建築費」へのご寄付

  
現在、特に必要としています。多少にかかわらずご協力をお願いいたします。

C 「学校設備費」へのご寄付 
  学校備品や理科実験室教材、図書購入等のため


振込先■ みずほ銀行 四谷支店

(宗教法人カトリックイエズス会) 東ティモール聖イグナチオ学院基金
(  )内は省略可

店番号 036 口座番号 普通預金 2232164

*ご寄付をされた場合は、下記へご連絡をいただけますようにお願いいたします。 

連絡先(現地世話人・責任者)

                 Pe. Yoshitaka Ura, S.J. (浦 善孝)                                                                                                           Residência Santo Inácio de Loyola Taibesi, Cinarate, Dili, Timor Leste  P.O.Box 209
                             tel. +670-7700-5866   e-mail: urasj@jesuits.or.jp

           聖イグナチオ学院を紹介するHP http://www.jesuits.or.jp/~j_urasj/index

           <東ティモール 聖イグナチオ学院>で検索できます。詳細をご覧いただけます。 
 

 

ディリ市内の市場                       南部の町スアイ 海辺の民家

ディリの海辺