トップページ



東ティモールの新しいイエズス会学校 設立概要

 聖イグナチオ・デ・ロヨラ学院(中学高等学校 2013年開校)

 聖ジョアン・デ・ブリトー学院(教員養成専門学校 2014年開校)

 

Instituto de Educaҫão Jesuita:

Colégio Santo Inácio de Loiola  /  Colégio São João de Brito

 

*以下は、イエズス会東アジア・オセアニア地区協議会が発表したものの翻訳。
 

 東ティモール民主共和国の教育大臣は、東ティモールのイエズス会が政府との連携を保ちながら、2013年初めに開校が予定されているイエズス会の教育施設を通して、当地におけるイエズス会教育の伝統を今後も継続することに認可を与えた。

 

1.目標
-男女共学の中学校、高等学校であるColégio Santo Inácio de Loiola2013年に設立する。
2013年に75名の中学一年生の入学をもって開校)
-中学校、高等学校の教員養成のための学位取得が可能な3年間のプログラムを提供するColégio São João de Brito2014年に設立する。この学校は、東ティモール社会全体に奉仕する教育施設である。(2014年に約25名の学生の入学をもって開校)

 

2.背景
 東ティモールでは教育の必要性、とりわけ質の高い教育を受けたいという人びとの望みは計り知れないほどのものがある。1899年、ソイバダ(Soibada)にはじめてイエズス会修道院が設立された時から、同会は東ティモールの人びとのために教育と司牧活動に携わってきた。ライラコ(Railaco)やスアイ(Suai)のような地方の小教区における活動とともに、イエズス会はディリ(Dili)教区のために聖ヨゼフ学園でも20年以上にわたって教育活動に携わってきた。2003913日に署名された覚書を見ると、ディリの司教によってイエズス会に次のようなミッションが託されている。「福音の価値に根差し、将来の社会と教会のリーダーとして働く東ティモールの若者を教育し養成すること」。その後ディリの司教は、2011年の終わりに聖ヨゼフ学園の運営を教区で引き受ける決断をした。その結果、イエズス会は新しい時代に見合う質と深みを伴った価値観に基づく教育活動を独自に開始する自由を得た。最終的に20111214日、その年の学校年度末をもってイエズス会は聖ヨゼフ学園から去ることになった。
 すでに2008年から2009年にかけて、新しい学校のために地元の土地所有者から7ヘクタールの土地を購入している。2010年には、敷地を囲むフェンスが完成した。準備計画書は2010年中に発表されていたが、2011年に中等教育のための教員養成学校設立を加えた新しい計画が了承された。東ティモール教育省はこの計画に賛同の意を示し、その後より詳細な計画と準備を整え201112月、教育省の大臣へ正式の認可申請を提出し、同年1220日に設立が認可された。

 

3.ヴィジョン
 東ティモールのイエズス会は、東ティモールの人びと、とりわけ最も貧しい若者に奉仕するために、質の高い教育プログラムを備えた教育施設を当地に設立する。

 

4.ミッション
 イエズス会の教育施設は、グローバル化して絶えず変わりゆく世界にあって、イグナチオの伝統、カトリックの信仰、そして東ティモールの文化的コンテキストに見合う批判的で、能力があり、世話するリーダーを育てる。

 

5.学校所在地
 すでに東ティモールのイエズス会は、イエズス会の教育施設を建設するために下記の場所に7ヘクタールの土地を確保している。
                             Aldeia (sub village)           Mane - Motu and Teresari
                          Suco (village)                     Ulmera
                             Districto(District)               Liquiҫa

 

6.カトリックの司教区
 マリアナ司教区(Maliana Diocese)のドン・ノルベルト・ド・アマラウ司教は、201122日、同教区内のリキサ小教区に設立される学校のプロジェクトに対して賛同とともに認可を与えている。

 

7.学校の特徴
 -カトリックの、そしてイエズス会の教育施設として、保護者と地域共同体との協力をえて、カトリックの信仰を培いながら全人的な教育を行う。
 -特にこの教育施設は、イエズス会教育の使命とアイデンティティに深く根ざすものとする。
 -イグナチオ的教授法(Igantian pedagogical paradigm)に倣い、情報コミュニケーション技術(ICT / Information and Communication Technology)を用いながら「経験 省察 行動 評価」の学習サイクルを強調した教授法を用いる。あわせてこのような教授法が実践可能な教育環境を整える。
 -地域の共同体に出向く校外における奉仕活動と、学校の課外活動を大切にすることを通して、生徒の全人的成長を促進する。
 -学校に勤務している教職員のための研修、そして勤務を開始する前の事前研修においても、学校に関わるすべての人びとに価値に基づいた教育を行うことが強く求められる。
 -この学校は東ティモール政府教育省のカリキュラムに従い、学校教育はポルトガル語で行われ、またテトゥン語と英語も教える。

 

8.カリキュラムの大枠
 -学校教育においては、ポルトガル語を主に用いる。
 -政府が定めたカリキュラムと教科を教える。

 

9.学校組織
 この学校は、スクール・ディレクター、校長、チャプレン、生活指導主事、財務・経営主事からなるコア・グループによって運営される。Colégio São João de Britoの開設は、聖イグナチオ・デ・ロヨラ学院との連携によって行われる。

 

10.基金
 -建設基金:イエズス会東アジア・太平洋地区協議会は、日本、オーストラリア、シンガポールをはじめ他のイエズス会各国管区の財政支援を受けるとともに、広く東ティモールのイエズス会学校建設のための資金を求める呼びかけをはじめている。すでに、土地取得や初期の計画を実現させるための資金は集められた。
 -今後の安定した運営資金:設立後の運営資金は、生徒からの学費、可能ならば政府からの援助、そして奨学金基金の設立によって賄う予定。これまで当地のイエズス会は、ディリにあった聖ヨゼフ学園を援助を仰ぎながら自主財源で経営してきた経験がある。

 

11.教職員の雇用
 -政府教育省とイエズス会のミッションに照らし合わせ、双方から要求される資格や資質を満たした適格な教職員を採用する。
 -雇用期間と条件:学校当局は雇用契約、勤務倫理規定、そして勤務査定システムを策定する。
 -雇用期間中の教職員の専門的養成は、教職員をサポートする重要な事柄だと認識している。
201112
以上